地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

16.妊娠後期-⑨出産予定日になったが…

 前回の、フライングで病院に駆け込みスゴスゴと家に帰った事件以降、私は非常に慎重になった。

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あの事件が初めての前駆陣痛で、以降、似たような痛みに襲われることが3、4回程あったが、前回の反省により気長に様子を見ていると治まった。

その都度母を慌てさせはしたが、結局破水も本陣痛も来ずじまいのまま、期待と空振りを繰り返し、出産予定日を迎えた。

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 予定日の1ヶ月ほど前に担当の医師と相談し、赤ちゃんが危なくない範囲で自然分娩とすることを決めていた。そして予定日は検診日で、その時点で赤ちゃんの推定体重が2,600kgと少なめだった。そこで『急いで出産する必要は無い』と診断され、1週間程様子を見て兆候が無ければ陣痛促進剤の利用を検討することになった。

 

赤ちゃんに危険が無いのであれば陣痛を体験してみたい!という軽い気持ちで自然分別を選択したことを結構後悔した…。

 

焼肉を食べたら陣痛が来るというジンクスを耳にした母は、夕ご飯にさりげな〜く焼いた牛肉(塩味なら少し食べれた)を混ぜてきた。

夫は伝説の朝ドラ『おしん』で、おしんは出産直前まで働かされて超安産、義実家の娘は上げ膳据え膳で超難産だったことを何かで見たか聞いたかで運動しろと繰り返し説いてくる。そしてそれを耳にした母も同様のことを…。

 ※おしんを見たこと無いので真偽不明。

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なんか焦るなぁ…。

そして、正直、夫の『おしんを引き合いに出す作戦』にはムカついた!終わらない悪阻で体力も低下し、お腹も重くて今更運動どころじゃないんだよ!(怒)

 

こんなことなら計画分別にすれば良かった…と後悔しつつも時間は経過していった…。

 

16.妊娠後期-⑧フライングで病院へ…

 実家に帰り食生活が革命的に改善してから赤ちゃんの推定体重はこれまでに無い程順調に増加した。今まで低体重気味だったのはやはり私が中々食べることが出来なかったせいのようだ。

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そして私には確信があった。それは、赤ちゃんは予定日よりも早く産まれるというものだ。

実は私が体質を色濃く受け継いだ母親の家系では、問題無い程度に予定日よりも早く産まれる子が多い。ちなみに母親にとって初産にあたる私は1週間、弟は1ヶ月も早く産まれた。母方の従兄弟達も似たような感じだった。そこで予定日10日前になり『もう産まれるね〜』と母と呑気に話していた。

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 そんな日の深夜、私はいつもの激しい胎動で中々眠れずベッドの中でグダグダしていた。その時、

『ジンッ』

とした痛みを下腹部?腰の辺り?に感じた。

『???』

いつもの胎動による痛みとは違う。

そしてまた12〜3分後にまた似たような痛みが…。

『??????…もしかして!?』

陣痛が来たと思った。

急遽陣痛の間隔を計るカウンターアプリをインストールし、陣痛の間隔を計り続けた。

10分、9分、8分…。3時間程かけて間隔がどんどん短くなる。

来た来た来た!と思い、夫に連絡し、寝ている両親を起こした。

両親ワクワク。私ドキドキ。

破水はしていなかったが、陣痛の間隔が遂に5分に突入した所で病院の産科専用ダイヤルの連絡し、行ってもいいという許可を貰い、タクシーに飛び乗った!

私と付き添いの母を見送る父に

『行ってくる!次、帰ってくる時は2人になってるから!』

とハイテンションに言った。

既に夜は明け、空は白み始めていた。

 

病院に着き、緊急出入口から産科へ!

 

産科へ向かうエレベーターでも『次このエレベーターに乗る時は2人になってるんだね!』と、母と話していた。

 

診察室に通され、ノンストレステストの時のような機器がお腹に付けられ、診察が始まった。

 

ドキドキ…。

 

助産師さん『…産まれる兆候はありません…。』

私・母『!!!』

(そう言えば今、そんなに痛くない。)

助産師さん『子宮口も検診の時から開いてませんし、前駆陣痛でしょう。』

私・母『…お手数をおかけしました…。』

 

 期待が完全に空振りに終わり、完全にピエロになった気分だった。落ち着くまで休憩していくかと聞かれたが、一睡もしていないこともあり、どっと疲れが出て、一刻も早く家に帰りたかった。まだ、少し痛みはあったのだが…。

病院を出て、期待に胸膨らむ夫にコトの顛末を伝え…、帰路に着いた。

前駆陣痛で病院に駆け込むことはそんなに珍しいことでは無いらしいし、もちろん誰も私を責めなかった。でも、完全にピエロになったショックは大きかった。

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実家に帰ってからはふて寝するしか無かった。。。

本当に疲れたなぁ…。ぐったり。。。

 

16.妊娠後期-⑦実家での生活スタート

 妊娠後期になっていきなり羊水が少なくなったと言われた問題も解決し、産休に入って無事に里帰りを果たした。

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実家は私が独立してから引っ越しており、今の家に住んだことが無かったのだが、想像以上に快適だった。

1日に30分〜1時間の散歩を日課とし、後は上げ膳据え膳の生活だ。

 

そして何より母が作るご飯!

 

実はこの頃、定期検診の血液検査で明らかに鉄分不足の数値をたたき出していた。しかし、産休前の仕事のゴタゴタと羊水が少なくなったという診断による心労により、体力が限界に来ていたいた私は、満足に料理をすることも出来なかった。

結果、悪阻で吐きながらスーパーの出来合いのほうれん草のお浸しを食べ続ける+鉄分を補う薬を摂る生活を続けていた。

そんな状況から一転、母の手料理は、悪阻の私にも食べやすい内容・味付けで、私の食生活を一変させた!

 

 無事出産予定の病院へ転院も果たし、赤ちゃん本舗でベビー用品を買い揃え、出産への準備が着々と整っていく。。。

悪阻と重たくなってきたお腹、そして激しい胎動による寝不足で、相変わらず体はしんどかったが、不妊治療で出口が見えない長いトンネルのただ中にいた一年前とはえらい違いだ。

 

本当にありがたい。

 

不妊治療を支えてくれた家族、不妊治療クリニック、妊娠を支えてくれた地方居住地の病院にただただ感謝するばかりである。

 

 悪阻で体験出来なかったマタニティビクスやマタニティヨガのレッスン、高齢出産で諦めざるえなかったフランス料理付きのセレブ病院での出産等々、

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 妊娠前に思い描いていたマタニティライフ通りにはいかない部分もあったが、里帰りによって落ち着いた生活に入ることにより、やっと、このまま産めるかもしれない…と、実感を伴って感じられるようになった。

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そして37週の正産期に突入した! 

もういつ産まれてもおかしくない!

 

16.妊娠後期-⑥羊水が少ないと言われた真相

 私の里帰り直前に、風邪をひき38°の熱にうなされていた夫を見捨てて里帰りを決めた。

後は3時間の移動に耐えられる状態か、病院に確認しに行くだけだ!

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前もって予約している通常の検診と違い、飛び込みの診察はとにかく待たされる。というか、広大な地域で唯一産科を標榜している通院病院は、予約しているはずの定期的な検診でさえも1時間以上待たされることはざらにあったので、飛び込みの診察の場合は…推して知るべしである…。

そして、その病院で出産をしない妊婦は診察を受ける先生を選べない。

 

 やっと診察の順番が回って来たので診察室に入り、午後から3時間かけて電車に乗って里帰りするので、羊水のことも含めて赤ちゃんは大丈夫そうか確認して欲しい旨、先生にお願いした。

その日は羊水が少なくなったと診断した先生とは違う先生だった。

 

エコーを見ながら…

私『先生…、羊水は…赤ちゃんの様子はどうですか?今日里帰りしても大丈夫ですか?』

先生『羊水、ちゃんとありますよ。赤ちゃんの心音も…大丈夫です。』

私『えっ!』

先生『今となっては理由は断定できませんが、羊水って胎児が飲み込んでおしっことして出すことで循環してるんです。前回、たまたま凄く凄く飲み込んだ直後に検診したのではないでしょうか…。たま〜にそういうことがあるんですよ。』

私『えええ〜!』

先生『とにかく、里帰りしても大丈夫ですよ。』

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夜な夜な羊水過少について検索していた際、同様の事例を見つけたことはあったが、まさか私がそのケースに当たるとは…。

ほっとした…。凄くほっとした…。

と、同時に、そんな可能性も有るのだったら、不安になるようなことを言う時に伝えといてよ!先生!

私の10日間の心労寝不足を返して!

と、前の先生に対する不満がムクムクと膨れて上がってきた。

 

ただ、とにかく赤ちゃんに問題は無いとのことで、拍子抜けしつつも気分は上々!

さあ、後は実家に帰るだけだ!

ここ数ヶ月で一番希望に満ちた状態で母と供に実家への帰路についた。

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夫『妻ちゃんまたね…。』

取り残される夫だけが涙目だった(笑) 

16.妊娠後期-⑤風邪の夫を見捨てて里帰りを決意、そして病院へ…

 里帰り予定日の直前に夫が風邪をひいた。 

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 1日眠ったら治まるかと思いきや…体温は38°近くに上昇し、咳はますます酷くなり、ゴホゴホゴホゴホしている。夫涙目、私も涙目…。

 

一方で、母の登場により里帰りの準備はあっという間に終わった。しかし私は、病気の夫にイラつきつつも、一人残して里帰りをして良いものか…と、結構真剣に悩んでいた。

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私『お母さん!準備手伝ってくれてありがとう!でも、あんな状態の夫君を残して帰ってしまって大丈夫かな…。』

母『そうだね…。心配だね…。でもね、一緒にいたらあんたまで風邪が感染る可能性が高くなるよ。』

私『はっ!』

母『今一番に考えるのはお腹の赤ちゃんを無事生むことじゃないの?何の為にあんなにしんどい不妊治療を受けたの?』

私『はっ!(2度目)』

母『夫君はただの風邪なんでしょ?大人だし大丈夫だよ。お腹の赤ちゃんのことを優先してあげて。』

私『そうだよね!』 

 

ということで、私は悟りを開き、予定通りの里帰りを決めた。

 

夫の風邪につき合っている場合では無い!

 

最後まで引っかかったのは…やはり羊水が少ない問題だった。居住地の地方から実家までの片道3時間の道のりのほとんどは山間部で、体調に異変が生じても、産科どころか病院さえ見つけ難い所が多い。

このまま帰路につくことにどうしても不安があった私は、里帰り当日の午前中に、思い切って病院に行き、長時間の移動に耐えられる状態か医師に確認してもらうことを決めた。

 

そして、その診察で羊水が少なくなった真相を知ることになったのだ…。

16.妊娠後期-④里帰り直前に風邪をひいた夫

 羊水が急に少なくなったと言われつつ、這々の体で産休に入った私。

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自分が自覚していた以上に産休に入るための引き継ぎや仕事の片付けに関わるプレッシャーや疲れがあったようで、直後の2日間はほとんどベッドから起き上がれず寝て過ごした。

 

 寝て過ごしながらも胎動を確認しつつ、破水と尿漏れの境界が分からず、トイレに頻繁に駆け込むことには変わりなかったが、全てが吹っ切れた開放感が半端無い。しばらく仕事に行かなくて良いという状況は、普通の休日とはこんなに気分的に違うのか…と、実感をしつつ、妊娠も後期に入っている私は、里帰りの準備をしなければならなかった。

 

 妊娠も34週に入り、37週以降の正産期には至らないまでも、ちょっとした早産で産まれてくる可能性もある時期だ。縁もゆかりも無く頼れる家族が夫だけのこの地方で急遽出産!という事態に陥るのは絶対に嫌だ。里帰り先の病院での予約が1週間後に迫っていることもあり、さっさと里帰りの準備を進めなければいけない。

 

 とは言え、悪阻や羊水のこともあり、中々パキパキ動けない…。と、困っていた所に…何と母が助っ人で泊まりで迎えに来てくれることになった!父を置いてくるのは無理だろう…と思っていたのだが…とても嬉しかった。

母が手伝ってくれるなら、里帰りの準備も順調に行くだろう。後は、私が体調を整えて覚悟を決めるだけだ!意気込んでいる所に、夫が風邪を引いて帰宅してきた。目がトロンとしてゴホゴホ言っている。。。明らかにやばめな症状だ。それも、母が来る予定の日の前日に!

 

夫よ、妊婦の私が耐えているのに、何故君が病気を持ち込んでくるのか…。

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インフルエンザでは無いことだけは、速攻で近所の医院で確認してもらったが…上がり始める体温。咳は悪化するばかり…。

エアコンと寝具の関係で、眠る場所を分けることも出来ず、ゴホゴホする夫の隣で、感染るのではないかとイライラして眠れない私。

 

そんな中、遂に母が迎えに来てくれた。

16.妊娠後期-③羊水が少ないと言われたまま産休突入

 羊水が少なくなったと言われ、様子を見ることになってすぐ、予定通り産休に突入することとなった。

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後任に仕事を残すようなことはしたくなかったので、勤務ラスト5日間は通常業務+引き継ぎ資料作成(100ページ以上のマニュアル込)の仕上げ+引き継ぎ作業そのもの の3コンボでバタバタで…正直記憶が曖昧になっている(笑)しかしそのかいもあって、何とか胸を張って『引き継ぎをした!』と言える程度にはしっかりと引き継ぎをした。と、思う。多分。

 

 転職して今の会社入社→婚約→先に地方勤務になっていた夫を追う形で予想外の地方勤務→入籍・結婚式→不妊治療→妊娠

と、駆け抜けてきたなぁ、やっとここまで来れた…と、最終日、定時を大きく過ぎ、上司に見送られつつ真っ暗になった勤務先から帰宅のためにタクシーに乗り込んだ時に、じんっと感慨に浸った。上司や同僚達からの温かい励ましや労いの言葉を反芻し、ちょっと涙も出た。

 

 しかし、どうしても羊水のことが頭から離れない。恥ずかしい話だが、妊娠中期頃から徐々に少量の尿漏れをするようになっていて、羊水が少なくなって、破水のような症状があったら即病院!と言われてからは、尿漏れなのか破水なのか分からなくなり、夜中も含めてしょっちゅうトイレに駆け込んで様子を見る生活が続いていた。さらに、激しい胎動と羊水過少検索で寝不足MAX状態で…。帰宅後は気が抜けたのか、夕飯もろくに食べずに眠りにつき、目覚めたのは次の日の昼頃だった。

これまでの社会人生活とは全く違う生活が始まる!

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