地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

8.体外受精への挑戦-⑤初期胚移植 かかる大金 たまった仕事 体調不良 そして…

 無事初期胚に至った受精卵ちゃんを移植するためクリニックに急いだ。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

 初期胚の移植は麻酔を使う必要もなく、採卵よりかなり楽だった。受精卵ちゃんを子宮に入れてもらう時、

先生が『今、入ってますよ~。』

と声をかけて下さり、

心から『おいで!おいで!』

と念じて受け入れた。

移植の手術室は採卵の時の部屋と同じだったのだが、専用のハイテクっぽい機器がずらり!甘い気持ちで始めた不妊治療だったが、たくさんの機器に囲まれながら

私もすごい所まできたものだなぁ

と何となく笑いが込み上げてきた。

 

 移植後の生活は、色々気を付けないといけないことが沢山あるんだろうというイメージがあったのだが、先生によると特別激しい運動をするなど体に過度に負担がかかること以外、通常の生活を営んで構わないとのことだった。もともと運動嫌いの私は、特に我慢することも無く日常生活に戻っていったが、そんな私を悩ませたのが一日4回の座薬と体調不良だった。

 

 座薬はコツを掴むまでが大変で、特に職場のトイレで素早く正確に入れるコツを掴むのに苦労した。

そして体調不良。。。

これまでの薬の影響なのか、居住地とクリニックを短期間に行き来する生活による疲れなのか、治療そのものの疲れなのか、気が抜けたせいなのか、、、移植後自宅に帰って以降、10日程の間体がものすごくだるかった。

しかし、もう仕事を休むわけにはいけない。治療のため一週間の間に3日も休んだせいで仕事はたまっている。昼休み返上かつ残業でこなす必要があった。

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 健康保険の対象外となる不妊治療をするにはものすごくお金がかかる。1ヶ月間の、体外受精・移植に係る治療費・薬代だけで50万円(※交通費除く)近くかかっている。仕事を辞めると治療の継続が難しくなるかもしれない。

そして何より、それなりのやりがいと思いがあって就いた仕事だ。時々(しょっちゅうかも)イライラさせられることもあるが、私の人生にとって必要不可欠なものになっている仕事を辞めるわけにはいかない。石にかじりつくような気持ちで、それこそ命を削るような思いをしながら体調不良と戦いながら仕事をこなした。

 

 そんな生活による疲れなのか、移植から1週間ほど経ち、たまった仕事が片付き始めた頃、目にけっこう大きな出来物ができた。疲れや体調不良が口内炎として出やすい私だったが、目にきたことはほとんどなく、15年ぶり位のことだった。

四谷怪談のお岩さんのようないでたちになりつつ、『絶対疲れのせいだ!』と思いながらも『こんな状態で本当に妊娠できるのだろうか…。』と、元々あった不安が恐怖の域に至るほど、心配でたまらず、心がぎゅっと掴まれるような日々が続いた。

 

   想像を超えていた採卵。そのためには頻繫に仕事も休まなくてはいけない。怖い自己注射もある。複数個の卵子が採取できなかった私には後が無く、今回で決めてしまいたいという思いがかなり強かった。たとえそれが成功率20%ほどの確率であったとしても、うまくいくことを考えなければどうしていいか分からなくなるほど不安でたまらなかった。

※成功率は諸説あり。先生に言われた数字を記載。

 

 そして約2週間後…結果は…陰性…。妊娠には至らなかった