9.5.小噺-①恐怖!血管注射
大筋の話の前に、書ききれなかった強烈体験をいくつか紹介していきます!
〇注射とわたくし
2回の採卵に向けて行った計7回の自己注射が怖かったということは折に触れて記載していたが、不妊治療は自己注射のみならず、注射のオンパレードである。
検査のための採血、治療のための注射、自己注射、麻酔のための注射…。
ほぼ通院の度に何だかんだで注射を打つと言っても過言では無い…。そして私は注射が大嫌いなのだ。それは過去のトラウマと密接に関わっている。
私は血管が通常よりかなり細いらしい。
血管が細いと当然血管に針を打ち込むことが難しいわけで、血管へ針を刺す点滴用の注射や、採血などで小さいころからかなり強烈な体験をしてきた。
血管が浮き出てくるよう手を看護師さんにバシバシ叩かれ、それでも腕への注射が上手くいかず手の甲(腕より痛い)に針を刺すことなどしょっちゅうだったし、せっかく針を刺しても血管が収縮して?うまく血管に届かず、何度も刺し直しを食らったことなど数えきれない。子供時代にこんなことが何度もあれば、当然トラウマ級の恐怖が植え付けられてしまう。
経験上、担当の看護師さんで注射がうまくいかないと、以下の段階を辿る。
①担当の看護師さん→(3回位トライしてダメだった)→②クリニックの中で注射が上手いと言われている人が登場→(2~3回トライしてダメだった)→③多分結構偉い役職付きのベテラン看護師さんっぽい人orお医者さんが登場→(もう後が無い 何とかしてもらう)
さすがにこの全ての段階を辿ったのは人生に5回しか無かったのだが、何と6回目の経験をすることになった。それは2度目の採卵時のことである。
〇針が血管に通らない
最初の採卵は局部麻酔(クリニックの標準対応)だったが、予想以上に強烈で痛みもあり、次も耐えられる自信が無かった。
そこで2度目は全身麻酔を選択した。
『眠っている間に全て終わってて楽だった!』
という話に後押しされたのだ。
しかし、採卵のため、順番を待っている個室で事件は起こった。そう。全身麻酔のためには点滴をしなければいけないのだが、看護師さんが点滴用の針を何度刺しても、血管に通らなかったのだ。
ベテランの看護師さんが来て次々と私の腕に針を刺していったがだめだった。腕がダメということで手の甲も含め何度も針を刺され、どんどん気分が悪くなる私。
当然体も冷え、血管はますます縮こまってくる。
体を温め血管を広げるため、最終的にベッドにはヒートマットが敷かれ、毛布や災害時などに使用される例の銀色の薄い保温シートで私はぐるぐる巻きにされていた。
が、そこまでしても血管に針が通ってくれない。
最終的に、診察の途中で抜けてきてくれたお医者さんの登場により何とかなったのだが、ここまでで1時間半かかっていた。飛ばされる順番、焦る看護師さんと私、増やされていく保温器具…。私の個室だけがわちゃわちゃする中、かなり早めに行って順番待ちしたおかげで2番目に採卵をしてもらえるはずが、いつの間にか最後の一人になっていた。
『先生でだめだったら全身麻酔は諦めて下さい』
と告知もされ、生きた心地がしなかったが、何とかなって一安心!でも、気疲れで採卵を始める時点でもうヘトヘトだった。付き添いで来てくれて、診察室の前でずっと待っていてくれた母親も、私だけが出てこない!ということで、結構焦っていたらしい(笑)。
何だかんだあったが、肝心の全身麻酔はうまくいき、本当に一瞬眠っている間に全てが終わっていて本当に楽だった。3万円位余計にかかったが、
全身麻酔最高!