地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

10.胚移植の小休止期間-①もしかして卵巣過剰刺激症候群?

 2度めの体外受精(採卵→受精)結果は上々ではあったが

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 今回の排卵誘発方法(アンタゴニスト法)は排卵誘発剤を多用するため体への負担が大きく、子宮が多少なりと腫れてしまうので、採卵後1・2ヶ月は胚盤胞の移植を待たなければいけなかった。

さらに、卵巣が腫れてお腹に水がたまる卵巣過剰刺激症候群(以下OHSS)に陥る危険性も前回よりも高くなる。

 

 特に私の場合、近隣に不妊治療の専門クリニックが無いことへの不安は大きかった。

なんせここは地方都市。

お産のための産婦人科医さえ不足している中、専門的な不妊治療を提供している医療機関なぞあるはずも無く、お産中心の周辺の産婦人科(数も非常に限られている)で、このような特殊な状況に適切に対処してもらえるか微妙な様子だったのだ。

さらに、採卵でかなり会社を休んでしまっていたので、突発的な治療のためにまた会社を休むことは難しいと感じていた。

前回の、採卵→移植まで行った体外受精の際は体調的に大きな問題は起こらなかったことから、トラブルが発生しないことを祈るしかなかったのだが…

こんな時に限って私の不安は現実のものとなってしまう…。

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 採卵後3日程経過した頃から、お腹の違和感が無視できない程ひどくなってきたのだ…。仕事中も就寝時もどうしても下腹の辺りがシクシクする。

1日様子を見たが治まる気配は無い。

仕事は忙しい。でもOHSSへの不安や恐怖が大きくなってどうしようもない。一晩悩んだが、受精卵だけ得られても、子宮がどうにかなってしまっては元も子もないと、意を決してクリニックへ行くことにした。

職場への遠慮と申し訳なさはあったが、前日からクリニック行きを意識して多少無理をして仕事を片づけていたので、当日締め切りの業務は残していなかったことも決断を後押しした。

 

 急いでクリニックの予約を取り、朝一番の電車に飛び乗り、業務開始時間を見計らって電車の中から会社に電話し、申し訳なさと気まずさを抱えつつ上司に事情を話し、把握している範囲で業務上代理で対応してもらうことはないことを伝えた上で休暇の申請をした。

 

 常日頃より、地方都市にさえ住んでいなければ、通院に丸一日を費やすことはないのに…と感じていたが、この日ばかりは特に強く、悔しく、何とも言えない感情の波が心に押し寄せ、会社への電話中というか、3時間もの電車移動の間ずっと必死に涙をこらえていた。

 

 幸いお腹の違和感はOHSSではなく、子宮の腫れの影響で、さらにその腫れ自体はまだ許容範囲とのことで、問題無しという診断が下された。疲れでフラフラになりつつも、復路の3時間は安堵で心が満たされ、往路ほどの悲壮感は無かった。

しかし、今回の事件は地方都市で仕事を続けながら不妊治療を続けることへの限界を感じざる得ない事件だった。