地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

15.妊娠中期-⑦仕事で忙殺 病院で号泣事件 その1

 妊娠中期の後半とも言える26週に到達した頃、世の中は年末に差し掛かろうとしていた。

そして、私の悪阻はまだ終わっていなかった。レモン水のおかげで少しましになっていたが、検診毎の3時間の栄養点滴は不可欠だった。

 

 この頃にはもう、出産するまでこの吐き気悪阻と付き合っていかなければならないと覚悟を決めていた。が、問題は体重だ。

妊娠26週になっても、やっと妊娠前の体重に戻るか戻らないかという状態で、相変わらずお腹の赤ちゃんの体重はギリギリ許容範囲の値をクリアしつつも、低空飛行を続けていた。 

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 妊娠初期に病院の保健師さんに告げられた出産時の目標体重は60kg!だが、長引く悪阻で絶対にその体重に到達できないことは明らかだった。10kg近く足りない…。だが、吐いてしまうのだからもうどうしようも無い、ということで、この部分は半ば諦めの境地に至っていた。

 

 そして、もう一つの問題、それが仕事。

 

過去記事にも書いた通り、この年、私の部署は増員も一時的な助っ人も無いまま、新規事業立ち上げ関連で業務量が増大していた。

さらに4月、不妊治療や父親の病気という、事情があって異動を希望していた私だけが取り残され、他の班員全員が異動してしまうという、地獄のような状況に陥っていた。

そして、新しく来た直属の上司は、様々な面で細かいことに拘る人だった(筋は通っているし決して悪い人では無い)。

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 仕事のピークは4・5月で、6月以降は一応の落ち着きを見せたが、それでも新上司によるチェックが厳しくなったルーティンワークの中に新規事業関連の仕事が入り込んだ。

そして、産休・育休を念頭に置いた大量の引継ぎ書類の作成ごが命じられ、さらに、職場のPCや周辺機器の一斉取り換え等々、数年に1度あるか無いかのイベントにも当たり、残念ながらその担当にも『PCに詳しいから。』という意味不明な理由で任じられてしまった。

極めつけは、監査等、例年であればさほどでもめない案件も、新規事業案件に関わってややこしくなるなど、地方の職場に異動してきた過去2年間は問題無く通過できていた案件もすんなりいかず、体がどんどん辛くなる私に、どう優しくみても総じて例年の1.5倍以上の仕事がのしかかっていた。

 

 仕事が増えたのは他の班員も同じなので、一部の仕事を唯一3年目の古株になる私に振らざる得なかった新上司の立場も理解できるが…、肉体的な辛さと、低体重気味の赤ちゃんに関する不安で、自分が認識していた以上にストレスを溜め込んでいた。それが爆発したのが妊娠26週の定期検診の時だった。

 

 その2週間程前から仕事のあれやこれやで

『このままだと、私は本当に倒れてしまう。』

という強迫観念に襲われていた。そこでこの日の検診で、仕事が肉体的に辛いことを先生に相談しよう…と、心に決めていた。エコーなどの診察が終わり、赤ちゃんが順調であることが確認された後の質問タイムに入った時、私は勇気を出した。

 

私『先生、、、悪阻で体が辛い中仕事が忙しくて…。ただでさえ忙しい中、産休育休のための大量の引き継ぎ書類も作成しなくてはいけなくて、本当にしんどいんです。診断書を書いてもらって職場に働きかけるなど、何とか手だては無いでしょうか?』

先生『仕事が辛いって?』

私『妊娠しているのに、例年よりも仕事がとても多くて溢れているんです。残業ができないので昼休みもあまり休まずに頑張っているんですが…。』

 

話がこの辺りに差し掛かった頃には、私はびっくりする位感情が昂り、大泣きしながらやや錯乱気味になっていた。そして、先生に話してもどうしようもない仕事の細かいことを含めて、辛いことを話し始めてしまった。。。

 

先生『あ~あ~、もういいから!あのねえ、そんな細かいこと僕に言っても仕方無いから!だいたい、赤ちゃんが危険な状態というわけじゃ無いから診断書なんて出せないし、会社を休んでも悪阻が治るわけじゃないからどうしようも無いよ!』

  ※イラついてるのが伝わる言い方。

私『ず、ずみません…。(大泣きしながら)』

 

 大人気なく錯乱してしまった私も悪いが、先生の反応があまりにも冷たく、突き放されたことに私は大きなショックを受けた。先生に『どうしようも無い』と言われてしまうと、辛く感じている自分が甘えているだけのように感じ、自責の念に駆られ、冷静になろうとしても涙が余計に溢れて来た。

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先生『あ~あ〜。じゃあ、母性健康管理指導事項連絡カード っていうのがあるから、それ書いてあげるよ。ただ、病院から仕事を減らせっていうのでは無くて、妊婦だから配慮してって言う程度のものだから、交渉はあなた次第で、どうす受け取るかは会社次第だから。』

私『わ、わがりました。ありがとうございまず。。。』

先生『いつもの点滴は受けるね。じゃあね。 次っ!』

 

 診察が終わっても私はまだ上手く感情をコントロールすることが出来なかった。

溢れる涙。止まらない感情の波。

先生にどうしようも無いと言われ、自分が情け無いやら、恥ずかしいやらのぐるぐるの感情がどうにもならない。

 

涙が止まらないので、私は目立たないよう待合室の片隅で声を殺して泣いていた。

 

~その2に続く~