地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

15.妊娠中期-⑧仕事で忙殺 病院で号泣事件 その2

前記事の続きです。

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 重度の悪阻で仕事が辛いことを検診時に先生に相談した所、冷たく『どうしようも無い』と突っぱねられ、自分がしんどいのはただの甘えなのかと自責の思いで感情がぐしゃぐしゃになった私は、妊婦で溢れ返る待合室の片隅で声を殺して泣いていた。

一方で、

前に聞いた、友人が通っていた病院とは全然対応が違うぞ(そこはかなり妊婦に寄り添ってくれている感じだった)、

とか、

病院の人は私よりももっと心身をすり減らしてギリギリまで仕事しながら出産してるんだから、私がしんどいのはただの甘えにしか見えないんだろうな、

とか、

そもそも赤ちゃんに影響が出ないようにするために相談したんだけどな…、私が倒れた後じゃ大事になると思うんだけどな…。

等々、色々なことを考え始めていた。

 

 そこへ、点滴のために看護師さんが名前を呼んでくれた。話を聞くと、いつも点滴を受けている近くにある処置室は一杯なので、別の棟の少し離れた部屋で点滴をするとのことだった。離れていても何でも、人の目につかない所に行けるのは有り難いことだった。

 処置室への長い道すがら、看護師さんは私が泣いていた理由について聞いてくれた。

 

看護師さん『どうしたんですか?大丈夫ですか?』

私『実は悪阻がかなり辛くて…。ご飯は食べられないし、仕事もかなり忙しくて…。そのことを先生に話したらちょっと感情が昂っちゃって…。』

看護師さん『そうですか…。仕事しながらって大変ですよね。フルタイムですか?』

私『そうです。帰宅する頃には、フラフラになっていて…。』

看護師さん『あ〜。それは大変ですね…。私も経験があるから分かります。無理なさらないように、早めに休みを取ったりして気をつけて下さいね。』

 

流石に看護師さんの上司に当たる医師に言われたことがショックだったとは言えなかったが、この看護師さんに少し共感してもらえたことで、私の心は少し軽くなれた。一方で、また涙が止まらなくなった。

 点滴をする処置室に着いても涙は止まらず、嗚咽しながら涙が流れる状態で…。生来血管が細く血管注射をしにくい私の血管はいつも以上に収縮し、直後にトライしてもらった針を通す注射は3回ともうまく行かなかった。

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 30分程待ち、少し落ち着いてからまた再トライすることになったので、点滴の一連の工程だけで3時間30分もかける羽目になってしまい、病院を出る頃には完全に夕方になっていたが、私は思いの外スッキリしていた。

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 思い返せば不妊治療の結果妊娠が判明した時に嬉し涙を流して以降、私はほとんど泣いていなかった。不正出血などで焦って泣きそうになったことや、赤ちゃんの無事が確認出来、安心で涙が出た事はあったが…。悪阻がどんなに辛くても、仕事がどんなに忙しくても、涙は出なかった。そして、今回、久しぶりに出た涙で、私は思った以上にスッキリすることが出来たのだ。問題は何も解決してはいないが、涙によるストレス発散効果については心から実感した。

点滴が終わるまでの3時間30分。私は禅問答のように色々考え続けた(他に出来ることが無いから)結果、思った以上にストレスを溜め込んでいたんだという結論に至った。仕事をしている以上、ストレスフリーとはいかないが、溜め過ぎはやはり良くないので、記入してもらった母性健康管理指導事項連絡カードを職場に提出するための作戦を練り始めた。