地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

17.出産-③出産

 ろくに眠れない中陣痛が始まり、いつの間にか夜が明けていた。

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 そのまま様子を見ているうちに、ジワジワした痛みだった陣痛は、いつの間にかもの凄い痛みになっていた。

 

ビッグウェーブ来た〜!!!

 

子宮口はまだまだ開きかけとのことだったが、本陣痛であることは疑いようが無い。朝になっているので実家に連絡しようか…と思っていた所に夫が来てくれた!いつの間にか面会可能時間になっていたのだ。

 

夫『妻ちゃん大丈夫!?』

私『痛い。産まれそう…。』

夫『マジで!?』

私『お母さんは?』

夫『家のことして来るって。面会出来る時間になったから取り敢えず僕だけ来ることにしたんだけど、来てみて良かったよ〜。』

私『凄い痛いんだけど。子宮口が開き切るまで待つんだって。とにかく腰さすって!』

 

そうこうしているうちに、子宮口がほぼ全開になり、分娩室に歩いて行くよう助産師さんに言われた。既に物凄い痛みだったたので、『この状態で歩くのか!?』と思いつつも、何とか分娩室へ。

 

と、ここまでは順調だったのだが、ここからが長かった。

 

分娩室に入ってからは、助産師さんの掛け声に合わせてのイキみを繰り返したが、赤ちゃんは中々出てきてくれず…。

看護師さん、助産師さんが入れ替わり立ち替わりして産ませようとしてくれたのだがうまくいかず…。確か3時間ほど経った頃に、何と!『陣痛が遠のき始めているから陣痛促進剤を使いたい。』と助産師さんに言われてしまった。

 

自然分娩に特別拘っていたわけでは無いが、ここまで来て促進剤投入か…と、覚悟のなかった状況に極限の状態で直面し、結構混乱した。が、赤ちゃんの安全には代えられない。というか、このまな陣痛が遠のいて、ここまでのプロセスをもう一度繰り返す勇気も無い。

分娩室の外で待つ夫に陣痛促進剤利用許可の署名を貰うことを了承し、夫の署名後すぐに投与が始まったのだが…。効きが悪いということで、さらに追加していくとのこと…。

 

どんどん追加投与されていく陣痛促進剤。

体力の限界で遠のき始める私の意識。

 

赤ちゃんが本当に大丈夫なのかと心から心配だったが、状況に身を任せるしかなく、考える力も無くなっていた。

 

促進剤を投与されつつ1時間ほどイキみ続けたが、赤ちゃんは出てきてくれず…。

結局医師の判断で、吸引で取り出すことになった…。

 

赤ちゃんの頭に機器を取り付け、産道から引っ張り出す吸引にすると、赤ちゃんの頭の先の形が伸びるような感じで変形してしまう(暫くしたら戻る)など、うっすらとした知識はあったが、まさか自分がこれに当たるとは…。でも抗うことも出来ない。

 

この段階では、とにかく無事に赤ちゃんを産みたいという思いしか無かった。

 

良い感じのタイミングになったとかで、登場した医師により、ホヤホヤの頭を吸引され…。

 

スポンっと、女の子の赤ちゃんが産まれた。

 

頭の形はちょっと伸びちゃったけど、元気だった。

この子に会うために不妊治療を始め、妊娠期間を含めて1年8ヶ月の月日が経過していた。

この間の様々な言い尽くせない苦労も、赤ちゃんの顔を見たら一瞬で吹き飛んでしまった。

 

こんにちは!赤ちゃん!

 

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