地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

18.不妊治療総括-④家族関係編

 不妊治療は精神的・肉体的・金銭的負担がのしかかる。

これらの負担は、夫婦の絆を時として強くし、時として打ち砕き、そしてそれぞれの両親をも巻き込んだ問題に発展することがある。

私達夫婦やその家族の治療を通しての関係性についてまとめてみた。

 

 

1.夫と私

 夫は人間が穏やかだ。一方私はどちらかと言うとネガティブ思考で心の浮き沈みが激しい。

 私達の不妊治療では、マイクロTESE等(勇気のいる手術なので詳細は省きます。玉ひゅんです。)の夫側の治療はせずに済んだため、通院の負担はほぼ私に偏っていた。

そして、何をしてでも赤ちゃんを授かりたいという想いを共有し、比較的余裕があった夫は、私が治療のストレスで理不尽にあたり散らすこともあっても、広い広い心で受け止めてくれたため、私達は不毛な泥仕合をあまりせずに済んだ。

 とは言え、出ない結果にお互いイライラを募らせ…険悪なムードになることは多々あった。

 一番(主に私が)爆発して夫と口論になったのは、4月にクリニックがある元の勤務地に帰任出来なかった時だった。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

通院の負担がかなり軽減されると期待していたのに実現せず、地方勤務継続を言い渡された私は、会社や当時の上司に対するに不信が爆発し、会社を辞めて治療に集中することを夫に宣言した。

治療費や将来のことを見据え、もう少し様子を見るように諭す夫。

会社や上司に対する不信から、治療をしながら仕事を継続する気力が無くなってしまった私。

毎晩毎晩話し合いが続いた。

そんな日々がしばらく続いたが、2回目の採卵と受精がうまくいき、胚盤胞が多数得られたことで、何とか前向きに頑張り直すことが出来た。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

 八つ当たりで悪態をついていた当時の私を振り返り、夫に対しては、よく見捨てず、諦めずに寄り添ってくれたものだと、心から感謝の念が絶えない。

f:id:baby-waiting-blog:20200217230239p:plain

2.親族への対応

 不妊治療のことを親族に伝えるか…。治療経験者であれば必ずぶち当たる問題だと思う。

私達の場合は、私の両親には治療開始前から話し、夫の両親には最後まで話さなかった。

 私の両親に対しては、通院のためにクリニック近郊の実家に頻繁に帰省することになることから隠し通せないと思っていたし、年齢が近い従兄のお嫁さんが長い治療をして、私が治療を始める少し前に無事赤ちゃんを授かることが出来た詳しい経緯や情報が欲しくて、実母には治療開始前から色々相談し、情報収集に協力してもらっていた。そして、治療を通じて私を心身共に支えてくれ、無償の親の愛を再認識した。

 一方で夫の両親に対しては、当初は隠すつもりは無かったが、そのきっかけを探っていた頃、私が治療中に最も焦る出来事が発生し、機会を失ってしまったのだ。

その出来事とは…。

 

3.不妊治療中最も焦った出来事

 私が結婚したのは30代中盤で、周りの既婚者の殆どに既に子供がいた。独身時代、気楽な独身仲間が減り、子供を授っていく様子に多少の焦りは感じていたが、いつしかそんな感情にも慣れてしまっていた。

 そして不妊治療を始めた時に勤務していた地方の事務所では、たまたま若い既婚者があまりおらず、幸運なことに誰かの妊娠で心が乱されることも無かった。

 そんな時に起こったショッキングな出来事…それは、義弟の突然の出来ちゃった結婚だった!

 治療を始めて2・3ヶ月が経過し、10万円以上かけて様々な検査を行い、夫婦共に大きな異常も見つからず、しっかりとタイミングもとっているのに出ない結果に焦りを感じ始めている時だった。

義弟が義実家に彼女を連れていくということは事前に聞いていたが、出来ちゃった結婚の挨拶であったことを、その後夫から知らされた。

f:id:baby-waiting-blog:20200217230325p:plain

 未婚だった義弟のことは完全にノーマークで…心の準備ができておらず、本当に本当にビックリして焦りと嫉妬で心が乱された。お祝い事なのに心から祝えない自分の心の狭さに対する自己嫌悪も凄かった。極め付けは、お正月に義弟が無邪気に3Dエコーの写真を見せてきた時だった。

この時は本当に辛くて義実家のお風呂で泣いた…。

義弟は何にも悪く無い。理解はしていたが、感情がどうしてもついていかなかった。

 ここで義両親の名誉のために言うが、彼らが孫産め攻撃をしてきたことは一度も無いし、不妊治療にことを伝えたら、受け入れて支えてくれたことは間違い無い。

さらに、妊娠に関して何かしらの努力をしていたことに気づかれている節もあったが、何も言わずに見守ってくれた。

ただ、初孫フィーバーする義両親に、自分達の治療のことを話す気にはなれず…伝える機会を失ってしまったのだ。。。

 

4.どのような家族関係を構築したら良いか

 夫やお互いの両親…。治療を通じての関係性で悩むことが多々あった。が、経験則で言うと、治療の負担が大きい側にとって、ストレスが少なくて済むようにすることが一番だと思う。

 幸運なことに、私達夫婦は子どもを持つために治療を受けること、目標のためには治療をステップアップしていくことについて最初から同じ方向を向くことができた。

そして、治療について私の両親にだけ伝えている状況についても夫は納得してくれた。

これは本当に大きかったと思う。

相手や自分の両親に治療を伝えるかどうか、つまり、ストレスの少ない家族関係の構築は、結局はお互いの考え次第だ。

不妊治療におけるパートナーとの意思疎通や相互理解ほど重要なものは無いというのが、月並みではあるが私のたどり着いた結論となった。