地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

18.不妊治療総括ー⑧不妊治療

 不妊治療総括編の最終記事となります!

 不妊治療全体をまとめてみました。

 

1.不妊治療で失ったもの

 約1年間、6回のタイミング指導の後、地方故に人工授精をスルーし、2回の体外受精、3回の胚移植まで駆け抜けた私の不妊治療…。失ったものをまとめてみた。

 

①第一線で働いていた自分

 治療を開始する前は結婚も遅かったこともあり、総合職の正社員としてそれなりに仕事をしている自負があった。

それが不妊治療の開始により、仕事を大幅にセーブしなければならなくなった。

セーブするだけならまだしも、従来の仕事量をこれまで通りこなすことも難しくなった。

 治療時に担当していた仕事の性質上、休みがちになっても、出勤日に残業や昼休み返上で必死でこなしたり、場合によっては持ち帰り仕事をして何とかこなしたが、電話や急な対応等、出勤していないだけで上司や同僚に迷惑はかかってしまうわけで…過去記事の通り、同じ班の人には事情を話すなどしたが、複雑な思いをさせてしまった部分は否めない。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

  そして、仕方が無いのは理解しているが、不妊治療を経て妊娠出産育休を経た現在、仕事の第一線からは外れてしまった。

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それは不妊治療のせいだけでは無く、妊娠出産を経た女性の働き方という大きなテーマに繋がってしまうのだが、不妊治療開始から妊娠期を経て育休終了までの約3年の間に、絶えず働く同期男性達との間に、社会人として差がついてしまっている。

贅沢な話かもしれないが、あせってしまう自分がいるのは否めない。

多くの時間と気力をより会社に捧げて貢献した人が、そうでは無い人よりも昇進するのは当たり前の話なのだが、これまで頑張ってきた自分のことを思うとどうしても複雑な気分になってしまう。

 

②お金

 何度も書いたが不妊治療はギャンブル。とんでもないお金がかかる。

私の場合、不妊治療にかかったお金の総額は約250万円だった。

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 得られた赤ちゃんの笑顔がプライスレスとは言え、原因不明不妊でさえなければかからなかったお金だと思うと…やはり血を吐きそうな気分になる。

治療をせずに子供が授かれる人達が心底羨ましい。

 

③時間・気力・体力

 地方住まい故に通院日は往復を含めると丸一日がかりになってしまっていた私にとって、治療にかかった時間はとんでもないものだった。

中々出ない治療結果と相まって、気力・体力はどんどんどんどん削られ、私は心身共に荒んでいき、満身創痍となった。

 

④失ったものまとめ

 不妊治療…1年間の治療期間、私の心身ともに大きな部分を占めていたこの治療。後述の『2.不妊治療で得たもの』を差し引いても、はっきり言って

せずに済むならそんなにいいことは無い

と今でも思う。

仕事をしていてもしていなくても…地方住まいでも都会住まいでも…それぞれに事情を抱える中、治療がしんどいことに変わりはない。

 そして、この少子化の時代、私達夫婦が払った代償のこと思うと、やりきれない気持ちになる。

特に、①第一線で働いていた自分や、③時間・気力・体力 はある程度仕方ないとしても、②お金 については、政治で変えられる部分ではないだろうか。

さらに私の場合、当時の会社(上司)の理解がイマイチで、事情を話しても規定年限が来ていないなどの理由で元の勤務地に戻してもらえず、治療があと少し長引いていれば、体力・気力面の限界で退職せざる得ないような状況だった。

一応、女性の働き易さを売りにしている会社のはずなのだが、不妊治療中の社員に優しい体制とは言えなかった。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

恐らくこれが、今の日本企業の99.99%に当てはまる現実なのだと思う。

人手不足の中、

『治療は応援したいけど、自分達とは関係無い何処かで頑張っていて欲しい。』

というのが正直な感覚なのではないだろうか。

実際休みがちな人の穴は誰かが埋めないといけないわけで…職種によってはそれも難しいことがある。

それでもあえて、治療費やサポート体制の不備等々、少子化爆進中の日本社会は本当に子供を必要としているのか…と、思わずにはいられない。

必要だと分かっていることを、資金や人的資源の不足から制度的にサポート出来ない状態…社会が疲弊しているとは、こういう状況を指すのだと思う。

 

2.不妊治療で得たもの

①赤ちゃん

 これは揺るぎない。

 不妊治療の唯一最大目的である赤ちゃんを得られたのは大いなる幸運だった。

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②知見

 不妊治療は大変らしい…という漠然とした認識はあったが、まさか自分がそれにあたるとは、そしてこれほど大変なものとは思わなかった。

 不妊治療の経験は私の人間としての経験値になり、知見を広めてくれた。それにより、職場に同様の状況の人がいたら、業務分担などの面で力になりたいと思えるようになったし、問題意識を持つことが出来た。

治療を通じて得た経験は私の財産になった。

前よりも少しは優しい人間になれたかもしれない。

 

3.近況報告と今後の方針

 出産後育休を取り、保活、会社との交渉等々、色々ありましたが、現在元の実家近くの都会の勤務地に戻り、仕事に復帰しています。

 不妊治療については、2人目へのチャレンジのため再開しようかと思っていた矢先、コロナ禍が起こってしまい様子見をしている状況です(年齢的に時間的な余裕は全くないのですが…)。

 とにもかくにも、『地方で働きながら不妊治療!』というブログタイトルに、現在の自分が全く当てはまらないので、不妊治療関連の記事は本記事をもって一休みとし、本記事投稿後、しばらくしてから、不妊治療関連のはてなブログのグループからも一度抜けようと考えています。

 治療を再開するまでは、大学卒業後に入った超絶ブラック企業のことや、ワーキングマザー的な内容で、投稿は続けていきたいと思いますので、引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。

 

 ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

 心よりお礼申し上げます。

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