地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

14.妊娠確認後-⑦大量出血で病院へ

 妊娠も12週に突入し、これまでの不妊治療専門クリニックを万感の思いと共に卒業し、地方の自宅に到着した私は、本当に突然の大量出血に見舞われた。

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 こんなことならもう一日実家に泊まってから帰ってくれば良かった!と、反射的に後悔したが、それももう後の祭り。この血の塊が赤ちゃんだったらどうしよう!大変だった不妊治療を経てやっと出来た子供なのに、ここでダメになってしまうなんて、

 

絶対に、絶対に、絶対に嫌だ!

 

私は便器に浮いている血の塊をすくいあげた。この時期の胎児の大きさなど知る由も無く、もしこれが胎児だったとして、どんな形をしているのか見当もつかなかったが、とにかく様子を見るしかない。そして、どうやらただの血の塊のように見えた。

とりあえず少し安心したが、大量出血したことに変わりは無い。これからどうするか…。仕事中の夫に電話したが、電話に気付いてくれない。会社に電話することも出来たが、それで解決するとは思えないので、夫への連絡はここで諦めた。

パニックで涙が出る寸前だったが、ここで泣いてしまったら絶対自分で考えることができなくなる!と、何とか涙をこらえて必死に考えた。そう、とにかく病院に行くしかない!

 

 その日の午前、転院の手続きについて話をしていた時、通っていたクリニックから転院先の地元の病院へ、紹介状とは別に、私の状況を簡単に説明した用紙がFAX送信され、そのコピーをもらっていたことを思い出した。そこで、地元の病院にも私の概要は伝わっているはず!と思い立ち、もう夕方になっていたが急いで地元病院に連絡し、診察のお願いをした。

診療時間外ということで、公表されている病院窓口から産婦人科へ電話を回してもらうのにとても時間がかかって泣きそうになったり、やっと産婦人科の人と話せたと思っても、『多少の出血であれば家で様子を見てほしい…。』と言われ凹みそうになったが、生理2日目のような大量出血であることや、血の塊が出たことを泣きそうになりながら話し、何とか診察してもらえることになった!

大量出血があったのはその時だけだったが、依然微量出血はあったし、何よりこんな状態で1週間後の検診を待つなんて、絶対に無理だと思った。幸い、少し前に始めたタクシー通勤で何度もタクシーを呼んでいたことから、自宅の場所の詳しい説明をせずに、タクシーに来てもらうことが出来た。とにかく、病院へ!

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 私の手はずっと震えていた。気は焦る。でも絶対に子宮に刺激を与えてはいけないと思ってゆっくりと歩くように心がけた。産婦人科は病院の端の方に有り、そろそろ歩きで行くだけで疲れてしまったが、何とか到着した窓口で事情を話し、電話で指示された前のクリニックからの紹介状を渡した。すると

『これ、紹介状じゃないですよ。』

と言われてしまった!

よく見ると、私がコピーをもらった事前FAXを持ってきてしまったようだ。。。

『すみません。書類を間違えました。ただ、大量出血の症状もあり、家に取りに帰るのは難しいです。また、家族も仕事中で連絡がつかず、持ってきてもらうのも凄く時間がかかります。何とか診察してもらえないでしょうか。』

紹介状を間違えてしまった私が悪いのは百も承知だが、ここはお願いするしか無い。窓口の方を大変困らせてしまったが、医師にも事情を話してもらい、何とか紹介状は後日提出で診察してもらえることになった。

 

 診療時間外ということもあり、診察待ちの人は2、3人しかおらず、私はすぐに診察室に呼ばれた。泣きそうになりながら状況を伝えた所、医師からは

『紹介状の情報が無い状態で詳しい診察は出来ない。とりあえずエコーで胎児の状況確認だけしましょう。』

と言われ、赤ちゃんの生死が分かるならとりあえず十分!ということで、診察台に上がった。

『心音が聞こえます。音も…問題無さそうです。胎児は元気なようですね。』

 

そう言われた時は安堵の涙が出た。

本当に、本当に、本当に良かった…。

 

赤ちゃんがとりあえず無事だと確認できたので、本日の診察は終了となった。大量出血の原因は結局分からず仕舞いで様子を見て見ようということになった。

原因が分からず何の対策もとれないというのも怖い話なのだが…。

 

 診察が終わり、気が抜け疲れがどっと出たのか、診察が終わってから会計までの待ち時間、私はいつも以上の悪阻吐き気に襲われた。そして、このタイミングでやっと連絡が取れた夫に、出血があったことや今病院にいることを伝えた。夫もかなりびっくりした様子だったが、その時は全てが終わっていた。

『疲れた…。2回病院に行った分、いつもの2倍以上疲れた。。。それにしても便器の血の塊をすくいあげるなんて私も凄いことをしたな、事件が起こったのが家のトイレで本当に良かった。ははっ!』

なんて考えながら、ぐったりと、帰りのタクシーの中で項垂れた。帰り道でやっと、色々思考する余裕が戻ってきたのだと思う。

 

赤ちゃんが無事で、本当に、本当に良かった・・・。