地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

12.着床前診断のこと-④結び

 様々な議論のある着床前診断。一般的に言われている論点や利点等の概要については、過去記事にも記載した通りである。

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 そして、一般論に追加して、経験者(染色体検査(PGS)の分野で)として感じた検査の一番大きな利点は、

私たち夫婦の受精卵には染色体が正常なものが含まれていることが判明したこと

である。お金の問題で4個の胚盤胞の検査をするのが精一杯だったが、その半分が正常な染色体を持ったものであった。この50%という確率が、残りの全ての胚盤胞にそのまま適用されるわけでは無いことは分かっているが、少なくともそれなりの数の胚が正常である可能性は高まる。

もし、検査した染色体異常の無い胚盤胞2個で妊娠に至ることができなくても、残りの胚盤胞に成長できる力のあるものが含まれていれる可能性が高いのであれば、まだ、子供を持つことへの希望は持てるのである。

 

 これまでの治療がうまくいかなかったのは、卵子精子そのものに問題があるのかもしれない…と、思い始めていたこともあり、長引く治療の今後に少し光が差したような気分だった。実際、受精卵そのものの問題だったのか、着床しないことが問題だったのか?という、不妊原因の可能性の一つが低くなったことで、今後の治療の方向性が少し明確になったのである。

 

 まあ、過去記事の通り、染色体異常の無い貴重なG5 AAの胚盤胞を使った2回目の移植も残念な結果になってしまったのだから、その絶望たるや…という状況だったのだが。。。

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そして、今回の着床前検査(PGS)を経てもなお失敗した、移植結果を踏まえた上での医師からの『着床障害の疑い』発言なのである。

 

 私は、着床前検査の実施を他の人に積極的に勧めたいわけでは無い。実際、前回の記事で記載した通り、16番目染色体の異常が判明した胚盤胞をどうするか、すごく悩んだし、廃棄という決断を下すに当たって辛い思いもした。

モザイクが判明した胚についても悩むことになるだろう。

利点だらけの単純な検査というわけでは無いことは実感を持って承知している。ただ、検査によって、一人の不妊に悩む30代後半の患者が希望を持つことができたということも事実なのである。

着床前診断の在り方とは…。

このことについては、今でも時々考え込むことがある。

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 思いや考えは色々頭を巡っていますが、着床前診断についての記載はひとまず以上とします。

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 正常胚を使った2度目の移植が失敗した時点での残り胚盤胞の状況をまとめると以下の通りだった。

着床前診断実施済分】

 5日目で胚盤胞に至った胚

 ・G5 AA 正常胚…1個

 ・G5 AA 14番トリソミーモザイク胚…1個

着床前診断未実施分】

 5日目で胚盤胞に至った胚

 ・G5 AA 2個、G5 AB 1個、G5 BB 1個、G2 2個、G1 1個

 6日目で胚盤胞に至った胚

 ・G6 BB 1個、G5 BA 1個、G5 BC 1個、G1

グレードの高い胚盤胞はまだ残っていたが、次の3回目の正常胚の移植にかける期待だけがぶくぶくと膨れていった。

この頃の私は、本当に妊娠ができるのかと、自分で突っ込みを入れてしまう程、心身ともに摩耗し、満身創痍状態となっていた。3回目の移植にも失敗したら、着床前検査を行った染色体異常の無い胚盤胞を全て失ってしまうばかりか、着床障害の検査を受けることになる。

眠れない日々が続いた。