地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

14.妊娠確認後-②ひどい悪阻と上司報告

 2回目の検診の帰りに災害レベルの記録的な大雨で、地方の自宅に帰れなくなるという、とんでも無い経験をした。

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検診は別日でも問題はさほど無いが、ホルモン周期によって施術が行われる不妊治療では何かのトラブルで予定日に通院できない場合、代わりの日に施術することがほとんど出来ない。また、もし代替日での施術が可能だったとしても、私が行っていたような、有名不妊治療クリニックは常に満員状態で、予約が可能かどうか、という問題にもぶち当たる。こういう点でも、地方から不妊治療で都会に通院せざる得ないリスクというのは非常に大きいことを実感させられた。何せ地方の鉄道網は山間部を一部単線で通っている箇所も多数あるためか非常に脆弱で、自然災害時に町の被害がさほどでなくても、鉄道は丸1日運休しているということはしょっちゅうなのだ。

 ただ、検診に行ったかいはあって、無事心拍が確認できた!これは嬉しかった!出産までの長い、長い、道のり。様々なハードルはあるが、心拍の確認というのは、一つの大きな分岐点だろう。その他、血液検査の結果も問題無いということで、夫の両親にも妊娠を伝え、本格的なマタニティライフに突入したのだが…、大きな問題が立ちはだかる、そう、2回目の検診の直後に発生した悪阻である。

 私は正直、妊娠までの道のりが遠すぎて、大変すぎて、妊娠後の生活に思いを馳せる余裕が全く無かった。過去『悪阻が大変だった~。』と言っている友達にも会ったことがあったが、あくまで事後の話で、どの程度のものか想像もしていなかった。

悪阻と書いて『つわり』と読む。何とひどい漢字をあてるのだろう…。と、思う。でも、文字通り、悪阻は私に悪夢のような重篤な症状をもたらした。

 

先生『栄養をバランス良く取って下さい。ただ、一部接種し過ぎるとよくないものもあるので気を付けて下さいね~。

私『は~い!』

 

という呑気な会話を2回目の検診でしていたのだが、その直後、栄養云々を語ることは完全に無理な状態に陥った。とにかく激しい吐き気で…、なんせ食べられるものが無くなった。飲んだ水を5秒後にはトイレで吐いている、という状況で、お茶も無理、当然ポカリなんかの味の付いた飲み物は完全に体が受け付けなかった。。。

辛うじてフルーツゼリーとりんごは食べられたので、夫にスーパーで買ってきてもらうと…カロリー0のダイエットゼリーだった!いや、そうじゃなくて!!!カロリーいるから!今、とてもいるから(怒)

チェンジ!!!

 

 どんどん減る体重、青ざめる顔、職場には唯一食べられるりんごを剥いて1個丸々ホイルに包んで持っていく日々…。経産婦を中心に勘の良い同僚数人にはすぐに妊娠だとばれた。核心的かつ直接的な質問をされることは無かったが、会話の間接的な表現でもう完全にばれていたことを確信した。結局、あまりにも悪阻が酷く、仕事を1日普通に勤め上げることが困難になったことから、正式に直属の上司2名には報告せざる得ない状況になってしまった。心拍が確認できたとは言え、まだまだ流産のリスクはあるので、せめて安定期に入ってからにしたかったのだが、そうは言っていられなくなった。

 

私『不妊治療のかいあって妊娠することが出来ました。』

上司1・2『おめでとう!本当に良かったですね!』

私『それで…実は、とんでもなく悪阻が重い体質だったようで…日常生活もおぼつかない状態です。仕事をもしかしたら休む日が出てきたり、勤務中に少し休憩をいただくことになるかもしれません。また、特別な治療を経ての妊娠なので、安定期に入って医師の了解が頂けるまで、これまでの都会の不妊治療専門クリニックに2週間に1回程検診に通う必要があります。検診は平日のみなので、そのためにお休みをもらうことになります。申し訳ございません。』

上司1・2『…。了解しました。悪阻はじきに収まると思いますし、まずは子供のことを第一にして下さい。年休や休憩のことは了解しました。会社には妊婦専用の休暇などがあるので活用して下さい。ただ、そのためには、母子手帳など妊娠を証明する書類が必要です。』

私『母子手帳をすぐに取得します。』

 

 調べてみると、検診での休暇の取得など、働く妊婦を保護する様々な法制度があるようで、それは当然うちの会社にも導入されていた(しなくてはいけないから)。今まで、血反吐を吐きながら満身創痍で仕事をしながら不妊治療に取り組んできたが、会社の支援制度は無く、孤軍奮闘という感じだった。しかし、妊娠という印籠を手に入れたとたん公的に本当に様々な支援を受けられる。正直『何だこの差は…。』と愕然とした。妊婦はある程度保護されて然るべきだとは思うのだが、この支援を少しでも不妊治療にも向けてくれれば…。不妊治療退職という望まぬ退職を少しでも防ぐことができるのではないか。。。

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 憤りにも似た感情が沸々と沸いてきたが、怒りを継続するエネルギーは当時の私には無かった。とにかく母子手帳…。そして、市のホームページで調べてみると、母子手帳を交付してもらうには、平日に市の保健所に行くしかないことを知った。また会社を休まないといけないのか…。がっくり…。