地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

18.不妊治療総括-②仕事との両立編

 お金がかかる不妊治療…。そのためにも共働きが必須状態の我が家でしたが、仕事との両立にはとにかく苦労しました…。

沢山の方が記事にしている内容ですが、経験を踏まえて私なりの結論をまとめてみました。

 

 

1.両立の難しさの原因

 女性の生理周期に合わせて通院しなければいけない不妊治療は、仕事との相性が悪い。

通院の壁 とにかくこれが大きかった。

通院と仕事の用事が被り、何でこの日に…ということが、何度もあった。そして、同僚に仕事のフォローに入ってもらうことへの罪悪感や申し訳なさ。これは本当にキツかった。

 私は3回目の体外受精で妊娠できたが、正直、あと3回試してダメだったら、治療に集中するために不妊治療退職をすることになっていたと思う。

 治療期間はとにかく仕事と治療のどっちつかずで、『私、何やってるんだろう。』と、仕事に対して、治療に対して、何度も何度も思っていた。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

 そして、体調不良との戦い

これも大きな壁だった。通院しながらの仕事で、体は疲労で疲弊するのに、すでに休みがちな仕事を、さらに休むことは難しい。さらに、体外受精までいくと様々な薬を飲んだり注射したりで、副作用で体調が悪くなる人も多い。

私の場合、十年以上ぶりに目バチコが出来たり、恒常的な発熱、口内炎(これは疲れがたまるとよくできる)の多発、などが見られるようになり、『これで妊娠できるわけがない!』と思い、3回目の体外受精に向けて、仕事を休んで無茶な通院生活を控える決意を固めることとなったが、そんなこと何回もできるものでは無い。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

故に、不妊治療退職が現実味を帯びていたわけだが、妊娠によりこれは何とか回避できた。だが、原因不明不妊の私達夫婦にとって、この結果はあくまで運によるものだ。

運、こんなものに左右されて、それなりにやりがいを感じて就いた仕事を手放すか、そうしないで済むかを左右されるなんて、あまりにも切ない。

 

2. 不妊治療にまだ適した仕事

 担当が割り振られ、その仕事を期限内に終わらせさえすればある程度完結する仕事。これはまだ不妊治療と相性が良い。

 反対に、顧客対応や、外部や社内の他部署とのやりとりとの打ち合わせを通じて何かを成し遂げていくために、勤務時間に持ち場に居て対応することが求められる仕事…これは、休みをとりがちになる不妊治療との相性は悪い。

 標題で『まだ』と書いたのは、相性が良いと書いた仕事内容でも、それはあくまでマシ程度で、決して楽では無いからだ。それでも、自分がある程度無理をすれば仕事を片付けることができるのなら、まだ努力や工夫のしようがある。

一方で、決まった時間に決まった場所に居て、その場で対応することが求められる仕事は、休んだ日の仕事を他の日にこなすことが難しい。そういう意味で、不妊治療との両立は難しいと考えた。

 

 そして、実は私は両方の種類の仕事経験がある。不妊治療中に担当していたのは前者で、一つ前の職場での担当内容が後者だった。

会社の人員配置や勤務体制などで違ってくるだろうが、私の会社の場合、一つ前の職場で治療をしていたら、仕事か治療、どちらかが確実に早々に破綻していた。

 

 不妊治療をしている時、どんな仕事を担当しているか…これもまた運だ。就職活動の時点で不妊治療を想定して仕事選びをする人は非常に少ないだろうし、大手の企業だと、一部の専門職以外は様々な職種を経験させられて、その後適性を踏まえて自分の専門分野が決まっていくケースも多い。

うちの会社はまさにそれで…次の異動先でどんな仕事を担当することになるか分からない。ゆえに、私がたまたま両立し易い仕事を担当していたのは、完全に運だった。

f:id:baby-waiting-blog:20200210233022p:plain

3.必要なこと

 仕事をしながら不妊治療を続ける上で必要不可欠なもの…それは上司の理解と協力だと思う。仕事の割り振りの裁量は上司にあるし、休みを取る取らないの相談先も上司になる。

上司の理解があるかないかで、治療に集中できるかが大きく左右される。実際私も4月の異動で直属の上司が変わった時から状況が少し変わった。

 そして仕事をカバーしてくれる同僚に対しては、理解をしてもらうことは難しいかもしれないが、ある程度のタイミングで理由と謝意を伝えることは必要かもしれない。私も経験があるのだが、理由も知らされずに仕事のカバーだけさせられるのはもの凄くストレスが溜まるからだ。

  しかし、自分の周りにどんな上司や同僚がいるか…これも運だ。自分ではどうしようも無い。

 

4.まとめ

 色々書いたが、結局は、どういう状況下で不妊治療をしているか…上司の理解があるどうか…等々、それらは、運?運命?による部分が大きい。

はっきり言って、不妊治療はギャンブルだ。

そして、仕事をしながら治療を継続し易い環境にいるかも運だ。

努力ではどうしようもできない、運に支配される世界…。

少子化云々が言われている中、非常に残念な現実だと思う。30代後半の不妊治療という事情を、職場に伝えていたにも関わらず、異動も配置転換も叶わなかった身としては、年齢に制限が出てくる不妊治療に対しては、もう少しだけ優しい社会であって欲しいと、思う。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

18.不妊治療総括-①お金編

前記事の通り、不妊治療や重度の終わらない悪阻を経て何とか子供を授かることができました。私の不妊治療の総括として、今回はお金についてまとめます。
~・~・~・~・~・~・
 

1.不妊治療の内容

 30代後半から始めた私の不妊治療期間は約11ヶ月だった。
期間としては短く済んだ方だと思う。
でも、その11ヶ月は本当に濃くて…最初から某有名不妊治療専門クリニックの門を叩いた私達夫婦の治療は最初からアクセル全開!猛スピードで駆け抜けていった。
 
卵管造影検査、内視鏡検査、エコー検査、血液検査等の女性向けの不妊治療検査一式、併せて男性向けの精子検査を2回行いつつ、6回のタイミング指導を受けた。
が、結果は惨敗だった。何にもかすらなかった。
baby-waiting-blog.hatenablog.com そこで、間髪入れずに2回の採卵・体外受精(顕微授精)、3回の受精卵移植を行い、2回目の体外受精では何と!胚盤胞4個の着床前診断(PGSと言われる染色体検査の方)を受けた。そして3回目の移植で、何とか子供を授かることができた。 
 
 片道3時間という家とクリニックの距離や地方の脆弱な公共交通機関の問題から、人工授精は受けなかったが、それ以外の一般的な不妊治療を全て体験したと言っても過言ではない内容だと思う。
そしてかかったお金の合計は…。
 

2.不妊治療にかったお金

 治療費をステージ別にまとめてみた。
 
 一般的な検査一式
 +6回のタイミング指導+薬代
 
  98,030 ※交通費別
 
 2回の採卵・体外受精(顕微授精)+3回の卵移植
 +薬代+卵の凍結・解凍+自己注射機器
 
  ¥1,447,330 ※交通費別
 
 
  ¥648,000 ※交通費別
 
 妊娠後安定期までの不妊治療クリニックでの検診
 +薬代
 
  ¥79,280 ※交通費別
 
 合計 ¥2,272,640 也 ※交通費別
 
 このお金で何ができただろうか…。
 こんな数字(現実)を見ると、治療せずに自然妊娠できる人達が心から羨ましくなる。
もっとお金がかかっている人は沢山いるだろうが、11ヶ月で消費した金額として考えると、中々のものだ…と思う。改めて血を吐きそう。げふっ!

f:id:baby-waiting-blog:20200206215314p:plain

3.それ以外のお金

 『かかったお金』の部分でしつこく『※交通費別』と書いたのには訳がある。
そう、地方住まいには、都会のクリニックへの交通費だけでも、万単位のお金がのしかかる。
 合計 ¥272,720 也
クリニックのある都会の近郊にそれぞれの実家がある私達は、宿泊費がかからない分まだマシな方のはずなのだが、莫大な治療費に加えての交通費は本当にお財布に痛い。
 そしてさらに、待ち時間や移動中にかかる飲み物代、ご飯代、治療で仕事を休む分の残業で自炊できなくなって発生する外食費やお惣菜代等々、+αでかかってくるお金も、ボディーブローのようにじわじわと家計費にのしかかってきた。

 

 結婚してからの不妊治療にかかる迄の約1年間、贅沢もせずに夫婦2人がフルタイムで汗水垂らして貯めた貯金があっという間に消えていった。。。

 

4.お金まとめ

 繰り返すが不妊治療、特に体外受精までいくと、本当にお金がかかる。それ故に、体外受精に踏み出し、治療を継続するためには、共働きが必須となってくるのだが…30代中盤~後半の夫婦が正社員でフルタイムで働いていると、世帯合計年所得が730万円を越え、公的な補助である不妊治療助成金の対象外となる可能性が出てくる。

そしてその助成金も一生涯で6回と、回数が定められており、その金額も治療費の一部を補う程度のものだ。

 お金の問題で体外受精に踏み込めない夫婦もいるし、体外受精を数回行っても結果が出ず、お金の問題で体外受精を休まざる得なくなる夫婦もいる。そうこうしているうちに、年齢的な限界が来て、子供を諦めざる得なかった夫婦がこれまで何人いたのだろう…。

考えるだけで心が痛くなる現実だ。

少子化対策って何なんだろう…と、心から考えさせられる不妊治療のお金問題。

全ての人が納得する形は難しいかもしれないが、現状の改善を強く強く願わずにはいられない。

 

17.出産-③出産

 ろくに眠れない中陣痛が始まり、いつの間にか夜が明けていた。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

 

 そのまま様子を見ているうちに、ジワジワした痛みだった陣痛は、いつの間にかもの凄い痛みになっていた。

 

ビッグウェーブ来た〜!!!

 

子宮口はまだまだ開きかけとのことだったが、本陣痛であることは疑いようが無い。朝になっているので実家に連絡しようか…と思っていた所に夫が来てくれた!いつの間にか面会可能時間になっていたのだ。

 

夫『妻ちゃん大丈夫!?』

私『痛い。産まれそう…。』

夫『マジで!?』

私『お母さんは?』

夫『家のことして来るって。面会出来る時間になったから取り敢えず僕だけ来ることにしたんだけど、来てみて良かったよ〜。』

私『凄い痛いんだけど。子宮口が開き切るまで待つんだって。とにかく腰さすって!』

 

そうこうしているうちに、子宮口がほぼ全開になり、分娩室に歩いて行くよう助産師さんに言われた。既に物凄い痛みだったたので、『この状態で歩くのか!?』と思いつつも、何とか分娩室へ。

 

と、ここまでは順調だったのだが、ここからが長かった。

 

分娩室に入ってからは、助産師さんの掛け声に合わせてのイキみを繰り返したが、赤ちゃんは中々出てきてくれず…。

看護師さん、助産師さんが入れ替わり立ち替わりして産ませようとしてくれたのだがうまくいかず…。確か3時間ほど経った頃に、何と!『陣痛が遠のき始めているから陣痛促進剤を使いたい。』と助産師さんに言われてしまった。

 

自然分娩に特別拘っていたわけでは無いが、ここまで来て促進剤投入か…と、覚悟のなかった状況に極限の状態で直面し、結構混乱した。が、赤ちゃんの安全には代えられない。というか、このまな陣痛が遠のいて、ここまでのプロセスをもう一度繰り返す勇気も無い。

分娩室の外で待つ夫に陣痛促進剤利用許可の署名を貰うことを了承し、夫の署名後すぐに投与が始まったのだが…。効きが悪いということで、さらに追加していくとのこと…。

 

どんどん追加投与されていく陣痛促進剤。

体力の限界で遠のき始める私の意識。

 

赤ちゃんが本当に大丈夫なのかと心から心配だったが、状況に身を任せるしかなく、考える力も無くなっていた。

 

促進剤を投与されつつ1時間ほどイキみ続けたが、赤ちゃんは出てきてくれず…。

結局医師の判断で、吸引で取り出すことになった…。

 

赤ちゃんの頭に機器を取り付け、産道から引っ張り出す吸引にすると、赤ちゃんの頭の先の形が伸びるような感じで変形してしまう(暫くしたら戻る)など、うっすらとした知識はあったが、まさか自分がこれに当たるとは…。でも抗うことも出来ない。

 

この段階では、とにかく無事に赤ちゃんを産みたいという思いしか無かった。

 

良い感じのタイミングになったとかで、登場した医師により、ホヤホヤの頭を吸引され…。

 

スポンっと、女の子の赤ちゃんが産まれた。

 

頭の形はちょっと伸びちゃったけど、元気だった。

この子に会うために不妊治療を始め、妊娠期間を含めて1年8ヶ月の月日が経過していた。

この間の様々な言い尽くせない苦労も、赤ちゃんの顔を見たら一瞬で吹き飛んでしまった。

 

こんにちは!赤ちゃん!

 

f:id:baby-waiting-blog:20200131200428j:plain

 

17.出産-②陣痛が…来る!

 高位破水し、陣痛待ちで入院することになった私。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

 この時点で全く陣痛が来ていなかったので、ここからも長丁場になる覚悟だった。事前に調べていた出産経験談でも、破水はしたけれど陣痛待ちで何日か入院が必要になるケースは結構あるようだ。

 

 病室に入ってから早速地方で働く夫に電話で状況を伝えた。

 

私『今、破水で入院してるよ!』

夫『おお!遂に来たか!!そっち行くよ!』

私『いや、まあ近日中なんだろうけど、陣痛来るまで様子見だからまだあんまり期待しないで。』

夫『そうなんだ…。』

私『だからそっち(地方)からこっちに仕事休んで来るような状況じゃ無いから!』

夫『本当に?』

私『本当に。』

夫『…分かった…。』

私『産まれそうになったら連絡するから仕事中も携帯気にしといてね!』

 

 一応絶対安静だったので、面会時間ギリギリ迄付き添ってくれた母をベッドから見送りつつ、ボーッとしていた時、夫から電話がかかってきた。

 

夫『今電車乗ってるよ〜!』

私『えっ!』

夫『妻ちゃんからの電話の後に状況を上司に報告したら、今すぐ奥さんの所に行ってあげなさいって言われちゃって、急いでそっち行きの終電に飛び乗ったんだよ〜。』

私『上司、むっちゃ良い人やん!

本当に有難いね。陣痛が来ないと無駄足になっちゃうかもだけど、やっぱり嬉しいよ。。。』

夫『上司良い人なんだよ〜!』

私『で、どこに泊まるの?夫君の実家?だったら病院から結構離れてるし、私の実家に泊まれば?お母さんに聞いてみようか?』

夫『まだ何にも決めて無い!最悪ビジホでもいいと思ってたんだけど、病院から近い妻ちゃん実家に泊まらせてもらえると助かる!』

私『らじゃー』

 

明日になれば久しぶりに夫に会えることになり、とっても嬉しかった。

 

そう、夫の上司は親身なのだ。

 

まだ不妊治療をしていたその年度の4月に、夫と私が通っていた不妊治療クリニックの近くにある本社かその周辺の事務所に異動出来なかった時、私の上司は体外受精という状況になっていることを報告しなかった私が悪い…という感じ(実際は上司が聞こうとしなかった)の対応をしてきたのに対し、

夫の上司は『こんな事情付きで異動出来ないなんて…。』と、治療を続けながら仕事をどう続けるか、これからの方針を夫と一緒に考えてくれたそうだ。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

 

夫上司への感謝の気持ちと共に、嫌なことを思い出し、元上司への怨嗟の念を思い出しかけたが、今はそんなストレスを抱えている余裕はない。

 

…とにかく寝て明日を待とう…と決めて、期待と不安で寝付けず何時間もベッドの中でウダウダしていた時、

ズシンとジンジンが合わさったような、胎動でもない、今までの前駆陣痛でもない痛みが私の下腹部を襲った。

 

『破水もしてるしもしかて???』

 

一定の間隔で似たような痛みが何度か襲ってきたことを確認し、病院駆け込みフライング事件の時にインストールした陣痛間隔カウントアプリを再び起動する!

 

…陣痛の間隔はまだ10分以上ある。

 

それでも一応看護師さんに報告し、状況を伝えた。

 

 機器がお腹に取り付けられ、赤ちゃんの状態を確認された結果、恐らく本陣痛とのこと!もう少し様子を見ることになり、引き続き陣痛間隔を計るよう言われた。

f:id:baby-waiting-blog:20191219225320p:plain

そうしている間にも、ジワジワジワジワ痛みが大きくなっていく気がする。

 

看護師さんは定期的に様子を見にきてくれ、お腹に取り付けた機器で何かを確認している。痛みの間隔が少しずつ短くなり、気がつけば夜が明けていた。

 

いよいよかもしれない…。

 

17.出産-①ついに破水

 おしるしも陣痛も破水も無いまま出産予定日から3日が過ぎた。 

『もう出て来て!!!』

私は周囲の期待をジリジリと感じながら待つことにいい加減疲れてしまい…。そして破水と尿漏れの違いが分からず、Google先生に問いまくりながら日々を過ごしていた。

 

 夕刻になり『今日も来ないのかな〜。』と落胆しながらトイレに行った時、いつもの尿漏れではなく水が流れる感じがあった。

『!!!』

『もしかして!?』

でも早とちりしてはいけない!前回のようなフライングになるのは嫌だ!

baby-waiting-blog.hatenablog.com

そのまま様子を見ていると…

…断続的にでは無いがやはりチョロチョロと尿ではない何かが流れる感じがある!

誰の目にもわかるようなドバッと出る破水では無いが、少しずつ、チョロチョロと水が流れている!

これは高位破水かもしれない!噂に聞く生臭い匂いとかはしないけど…。

ネットで検索しまくった知識が役に立った(笑)

意を決して母に相談し、病院に電話し、また病院に行っていいことになった!

 

今度こそ!

 

フライングの時と同じ診察室に通され、ドキドキしながら診察を受けた。

 

助産師さん『確かに破水されてますね。』

私・母『!!!』

助産師さん『一気に羊水が出たことは無いんですよね?』

私『はい!』 

助産師さん『陣痛は無いですか?』

私『ありません』

助産師さん『そうですか…。陣痛はまだでも破水をしているので入院してもらいます。様子を見ましょう。下着などの用意はお持ちですか?』

私『はい!』

f:id:baby-waiting-blog:20200127200543p:plain

結局、いつ来るか分からない陣痛を待つという生殺し状態に変わりは無いが、赤ちゃんにまた一歩近づいた。

 

16.妊娠後期-⑨出産予定日になったが…

 前回の、フライングで病院に駆け込みスゴスゴと家に帰った事件以降、私は非常に慎重になった。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

あの事件が初めての前駆陣痛で、以降、似たような痛みに襲われることが3、4回程あったが、前回の反省により気長に様子を見ていると治まった。

その都度母を慌てさせはしたが、結局破水も本陣痛も来ずじまいのまま、期待と空振りを繰り返し、出産予定日を迎えた。

f:id:baby-waiting-blog:20200125205147p:plain

 予定日の1ヶ月ほど前に担当の医師と相談し、赤ちゃんが危なくない範囲で自然分娩とすることを決めていた。そして予定日は検診日で、その時点で赤ちゃんの推定体重が2,600kgと少なめだった。そこで『急いで出産する必要は無い』と診断され、1週間程様子を見て兆候が無ければ陣痛促進剤の利用を検討することになった。

 

赤ちゃんに危険が無いのであれば陣痛を体験してみたい!という軽い気持ちで自然分別を選択したことを結構後悔した…。

 

焼肉を食べたら陣痛が来るというジンクスを耳にした母は、夕ご飯にさりげな〜く焼いた牛肉(塩味なら少し食べれた)を混ぜてきた。

夫は伝説の朝ドラ『おしん』で、おしんは出産直前まで働かされて超安産、義実家の娘は上げ膳据え膳で超難産だったことを何かで見たか聞いたかで運動しろと繰り返し説いてくる。そしてそれを耳にした母も同様のことを…。

 ※おしんを見たこと無いので真偽不明。

f:id:baby-waiting-blog:20200125205315p:plain

なんか焦るなぁ…。

そして、正直、夫の『おしんを引き合いに出す作戦』にはムカついた!終わらない悪阻で体力も低下し、お腹も重くて今更運動どころじゃないんだよ!(怒)

 

こんなことなら計画分別にすれば良かった…と後悔しつつも時間は経過していった…。

 

16.妊娠後期-⑧フライングで病院へ…

 実家に帰り食生活が革命的に改善してから赤ちゃんの推定体重はこれまでに無い程順調に増加した。今まで低体重気味だったのはやはり私が中々食べることが出来なかったせいのようだ。

baby-waiting-blog.hatenablog.com

そして私には確信があった。それは、赤ちゃんは予定日よりも早く産まれるというものだ。

実は私が体質を色濃く受け継いだ母親の家系では、問題無い程度に予定日よりも早く産まれる子が多い。ちなみに母親にとって初産にあたる私は1週間、弟は1ヶ月も早く産まれた。母方の従兄弟達も似たような感じだった。そこで予定日10日前になり『もう産まれるね〜』と母と呑気に話していた。

f:id:baby-waiting-blog:20200122211156p:plain

 そんな日の深夜、私はいつもの激しい胎動で中々眠れずベッドの中でグダグダしていた。その時、

『ジンッ』

とした痛みを下腹部?腰の辺り?に感じた。

『???』

いつもの胎動による痛みとは違う。

そしてまた12〜3分後にまた似たような痛みが…。

『??????…もしかして!?』

陣痛が来たと思った。

急遽陣痛の間隔を計るカウンターアプリをインストールし、陣痛の間隔を計り続けた。

10分、9分、8分…。3時間程かけて間隔がどんどん短くなる。

来た来た来た!と思い、夫に連絡し、寝ている両親を起こした。

両親ワクワク。私ドキドキ。

破水はしていなかったが、陣痛の間隔が遂に5分に突入した所で病院の産科専用ダイヤルの連絡し、行ってもいいという許可を貰い、タクシーに飛び乗った!

私と付き添いの母を見送る父に

『行ってくる!次、帰ってくる時は2人になってるから!』

とハイテンションに言った。

既に夜は明け、空は白み始めていた。

 

病院に着き、緊急出入口から産科へ!

 

産科へ向かうエレベーターでも『次このエレベーターに乗る時は2人になってるんだね!』と、母と話していた。

 

診察室に通され、ノンストレステストの時のような機器がお腹に付けられ、診察が始まった。

 

ドキドキ…。

 

助産師さん『…産まれる兆候はありません…。』

私・母『!!!』

(そう言えば今、そんなに痛くない。)

助産師さん『子宮口も検診の時から開いてませんし、前駆陣痛でしょう。』

私・母『…お手数をおかけしました…。』

 

 期待が完全に空振りに終わり、完全にピエロになった気分だった。落ち着くまで休憩していくかと聞かれたが、一睡もしていないこともあり、どっと疲れが出て、一刻も早く家に帰りたかった。まだ、少し痛みはあったのだが…。

病院を出て、期待に胸膨らむ夫にコトの顛末を伝え…、帰路に着いた。

前駆陣痛で病院に駆け込むことはそんなに珍しいことでは無いらしいし、もちろん誰も私を責めなかった。でも、完全にピエロになったショックは大きかった。

f:id:baby-waiting-blog:20200122211442p:plain

実家に帰ってからはふて寝するしか無かった。。。

本当に疲れたなぁ…。ぐったり。。。