地方で働きながらの不妊治療!満身創痍

30代後半、地方で働きながら取り組んだ不妊治療の記録です。

14.妊娠確認後-④不正出血

 妊娠6週目頃からの酷い悪阻で飲食や本を読むことなど、日常生活のささやかな楽しみが全て苦しみに変わってしまった。車酔いのような止まらない吐き気は、私が日常生活で字を読むことさえも難しくしたのだ。しかし、机仕事の私が字を読まない、パソコンを使わない、というわけにはいかない。日常生活での読書はほぼ諦めたが、仕事で必要な読み書きは気合でこなし、計算関係はささいなものでも電卓を使うのをやめ(間違えるから)、エクセルさんに頼った(見直しができるから)。

 妊娠は9週目に入り、普段の8割以下の精度で何とか事務仕事をこなすコツが掴めてきた頃、私の会社でイベントを実施しなければならなかった。一般向けでは無くB to B 的な内容だが、招待客を含めて来客予定者数は150人を超えるものだった。私の課はイベントを取り仕切る係では無かったが、他部署を含め事務所の職員のほとんが動員されて、駐車場整理、受付等々、様々な役割が割りが振られた。

 私の役割は会場案内。1階の受付を済ませたお客様を2階の会場まで誘導する係だった。会場案内は他にも5・6人程配置されていたが、事前説明によると、会場迄案内板を所々立てるので、『案内板の矢印に従って会場までどうぞ〜』と声かけするだけで、後は混雑時に受付の補佐をするだけで良いとのことだった。妊娠報告をした直属の上司とも話して、階段の上り下りが無いなら…と、担当を続行することにしていたのだが、集合場所に行ってびっくり!案内板が無い!メイン担当者を捕まえて事情を聞くと、イベント運営経験の浅いとある上司の思いつきにより案内板は当日の朝に無くなったとのことだった!そんなんで100名以上のお客様を捌き切れる無い!と、係の皆で慌てている所にお客様が来始めてしまった。不安は的中し、会場案内全員が何度も1-2階間を階段で往復するハメになってしまった。上司は私を気遣ってくれたが、人が押し寄せてどうしようも無い場面が何度もあり、赤ちゃんに悪いとは思いつつもその場の流れで私も何度も階段を往復せざる得なかった。

 その日私は心配になって不正出血は無いか何度もトイレに行って確認した。その日は問題は無かったのだが、次の日の朝、生理1日目程の不正出血が確認された。『赤ちゃんがダメになる!嫌だ!嫌だ!』と、怖くて怖くて仕方なかった。泣きながらクリニックの緊急相談に電話した所『生理2日目程の大量の出血で無いなら安静にして様子を見て下さい。』とのこと。後から調べて知ったのだが、妊娠初期は、流産の原因の多くが胎児由来で、たとえ妊娠継続が危ない状態でも医学的に出来ることはほとんど無く、様子を見守るだけというケースが多いようなのだ。出来るだけ平静を装って会社に年休申請の電話をした後、『無理してゴメンね、ゴメンね。』と、お腹に話しかけながら、泣きながら祈るような気持ちで休みを取った。幸い、出血はすぐに止まり、その後の10週目の検診で無事な姿が確認されたのだが…、妊娠中は絶対に無理をしてはいけないという教訓になった。

赤ちゃん、無理をしちゃって本当にゴメンね。

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